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社長あいさつ

代表取締役 立山隆一写真
近江クーパレジ株式会社 代表取締役社長

立山 隆一

世界で冠たる樽⼯場を⽬指す

サントリーの「⼭崎」や「響」などジャパニーズウイスキーへの評価は世界的に⾼く、毎年のようにコンペティションで名誉ある賞を受賞しています。このウイスキーの原酒を貯蔵し、熟成させる樽をつくっているのが近江クーパレジです。

ウイスキーは、短くて5年、⻑いものでは10年以上かけて樽の中で熟成され、⽊の成分によって重厚な⾹りや深い味わいが醸成されていきます。つまり、樽がウイスキーのクオリティを左右すると⾔っても過⾔ではありません。だからこそ、樽をつくる私たちの、⽊材を⾒極める⽬と⿐、数ミリ単位で調整する⼿仕事が⼤事なのです。⽊材を乾燥させて含⽔率をコントロールし、その⽊材が樽にふさわしいかどうかを⼀枚⼀枚選別して側板の形に加⼯する。機械で組み⽴てた後は、ハンマーで帯鉄を仮締め、そして機械で締め仕上げ、漏れないかをチェック。機械化が進む今でも、⽊の特性を熟知した職⼈がつくれば、⻑期熟成が可能な漏れない樽に仕上がります。お客様から「やっぱり、サントリーウイスキーは旨い」という声を聞くたびに、⼼の中で「そうでしょう」と誇らしい気持ちになりますね。

ウイスキー樽は⼀度使って終わりではなく、何度もメンテナンスを繰り返して再⽣し、ウイスキーを熟成する⼒がなくなるまで使われます。⼈間と⼀緒で、若いうちはエネルギーに溢れていて、少し荒々しいのですが、2回⽬、3回⽬と繰り返すうちに⾓が取れて丸みを帯び、中のウイスキーもまろやかに落ち着いていきます。いいものを使い続ける、という先⼈の知恵が⽣きているのです。
こうした樽の再⽣は、SDGsが叫ばれるずっと前から⾏われてきました。しかし環境のことを思えば、この技術を継承しながらも、これまで約50年使われてきた樽をもう10年、20年と⽣かせるように考えていくことも⼤切。「美味しさ」は⼤前提として、より⻑く使える樽をつくることがこれからの樽職⼈には求められています。

その使命を果たすためにも、近江クーパレジの樽職⼈にはぜひ⼀流を⽬指してほしいと考えています。そしていつかは、ブレンダーに対して樽づくりの⽬線から提案をし、最⾼のウイスキーづくりに挑戦してほしい。近江クーパレジから⽣まれた樽が美味しいウイスキーをつくり、世界の⼈々の⼝に⼊り、最⾼級の評価を得る。そんな世界で冠たる樽⼯場を、⼀緒に⽬指しましょう。

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